2006年11月09日 08:20
知財教育は子供の頃から (産学連携/高田)
わが国で「知財立国」が叫ばれ始めて久しいですが、
一体、人々の間ではどのくらい認識が深まっているのでしょうか?
■ 子どもの頃からの知的財産教育の重要性
以前の放送でも取り上げましたが、
国内外における海賊版や模倣品といった被害は
相変わらず大きく、関係者を悩ませています。
また、日本人に、他人のアイデアや
知的財産を尊重するという価値観や文化を
根付けていくということについても、
まだまだ時間がかかりそうです。
そうなると、子どもの頃からの
知財教育というものが重要になってくるでしょう。
実は、特許庁も様々なプログラムを提供し始めています。
例えば、知財教育用の本(小中高それぞれ)を発行し、
希望する全国の学校に無料配布したり、
高校や大学(教育学部など将来の教育職を育てる学部)を対象とした
知財講義の実施などに積極的に取り組んでいます。
■ 知的財産を身近に感じてもらうことが重要
昨年、私も宮崎や福岡の商業高校や工業高校を訪問し、
知的財産に関する授業を行いました。
ただし、いきなり“特許とは?”
といった堅い話から入ると眠くなってしまうので、
高校生も興味を抱きやすい話題、
例えば、“模倣品を海外から持ち込んで
ネットオークションで売ると、罰金や懲役はいくらか?”
とか、“中村修二さんの青色ダイオード裁判で
企業から受け取った和解金は、
平均的なサラリーマンの年収と比較すると
高いか安いか?”といった話題など、
知的財産と身近な生活を結びつけ、
更に、知財は決して他人事ではない
ということを理解してもらうよう心がけて話をしました。
また、東京にいる私の知人は、
「かずくん はつめい・はっけんシリーズ」という、
上下2巻の小学生向けの絵本を出版しました。
これは、発明や発見、特許に関する紆余曲折のストーリーです。
主人公の小学生「かずくん」は、
飼い犬「だいごろー」の病気を治す薬(草)を偶然発見します。
それで犬の病気がどんどん治っていくのですが、
そうしてかずくんとその薬が有名になってきたら、
今度はその薬のニセモノを売る悪いやつが出てくるわけです。
それに対して、かずくんは薬の特許で悪者を退治するというお話です。
巻末には、保護者や教師向けに、
どこがポイントで、どういうふうに説明するとよいか
というような解説も付いています。
この絵本の出版に伴い、著者は
全国で延べ50回、1500名近く参加者を集めて
“読み聞かせ”を実施したそうですが、
なかなか好評だったそうです。
重要なのは、子どもたちに
知的財産を身近に感じてもらい、そして
素直にすっと理解してもらえるようにしていくことです。
そういった工夫や取り組みを行っていくことが
もっと必要なのではないかと思います。
■ 知的財産教育の現状
しかしながら、依然として小中学校の先生は
“知的財産なんて・・・全くわからないし・・・”
という方がほとんどのようです。
日常の授業の中で使用出来る著作権についても、
十分な知識を持たないのが現状です。
このような現状を考えると、
子ども達に対してだけではなく、
教える側の教師達に対しても、
知財教育を充実させることが必要なのだと思います。
そうして、何よりも知的財産を
身近なものとしてとらえられるような取り組みと、
そのためのコンテンツ(教材)の提供を、
より積極的に推進していくべきではないかと考えます。