2006年11月27日 08:20
ビジネス・スクールの特色あるプログラム(ビジネス教育/星野)
先週、高田先生から
アメリカのリサーチ・トライアングルの
お話をして頂きましたので、今日は
そのお話を受けながら、ビジネス・スクールの
特色あるプログラムについてお話します。
■各ビジネス・スクールの持つ特徴
経営のプロを養成する
ビジネス・スクールでは、学生が学ぶ基本となる科目は、
どこの大学でもほぼ同じかと思います。
マーケティング、会計、財務、人材管理、あるいは戦略論などです。
これらはMBAの取得後にどのような分野に
進むにしても、経営を分析する上で基盤となると考えられるからです。
それではどこのビジネス・スクールでも、
カリキュラムやプログラムが同じかと言うと
そうではありません。特にジェネラル・マネジメントといわれる
経営全般を対象とする非常に高度なカリキュラムが
組まれているところもあれば、
特にマーケティングやファイナンスなどの
特定の分野や専門性に力を入れている学校もあります。
最近であれば、
起業家養成=アントレプレナーの養成を
重視するビジネス・スクールも見られるようになってきました。
■リサーチ・トライアングルに位置するビジネス・スクール
23日放送の高田先生の
「米国ノースカロライナ州リサーチ・トライアングルに見る
地域産業の振興」という話では、
1980年代に設立された「バイオテクノロジーセンター」を中心として、
州政府や地元の大学や製薬会社の研究所などの
産官学が連携しながら、地域産業の高度化を
目指すというお話だったかと思います。
その拠点校の一つが、デューク大学です。
ヒュクア・スクール・オブ・ビジネス
という名称のビジネス・スクールは、
全米でも有数のプログラムを持っていますが、
特に医療経営の分野で定評があります。
Health Sector Management(HSM)という名称のコースでは、
リサーチ・トライアングルに位置する製薬会社、
医療機関や他医療セクターと連携しながら、
高度な医療経営を在学中に学んで、
最終的にHSMを修了することになります。
■大学院で2つの修士号を取るプログラム
これ以外にもビジネス・スクールによっては、
デュアル・ディグリーだとかダブル・ディグリー
という名称のプログラムで、
同時に二つの修士号を取ることも可能です。
例えばMBAコースは通常2年ですが、
3年間在籍するによって、ロー・スクールのLLMという資格を
取得することや、外交や公共政策の修士号を得ることも可能です。
コロンビア大学では、
全米でも定評のあるジャーナリズムとMBAの
デュアル・ディグリーなどのプログラムが見られます。
これらのプログラムは、
総合大学として優れた大学院のプログラムがあることが前提となります。
■九州大学の特徴あるプログラム
九州大学では、
今年の4月に専門職大学院コンソーシアムを設立しました。
これはビジネス・スクールより2年前に開設された
医療経営の専門家を養成する医学系学府医療経営・管理学専攻、
2004年に開設された法曹家を養成する法科大学院、
また昨年開設された臨床心理の専門家を養成する
人間環境学府実践臨床心理学専攻の3校と
ビジネス・スクールが一緒になって、
社会の多様なニーズに対応した高度職業人を養成するプログラムです。
具体的な内容としては、
どの大学院に所属していても、
それぞれの大学院の特色ある講義を
相互に履修出来るとことがひとつです。
まだ始まったばかりですが、
医学系学府で病院経営を学ぶ学生が
ビジネス・スクールに来て「マーケティング」の講義を勉強したり、
医療機器のビジネスに取り組むビジネス・スクールの学生が
医療経営の「医療安全管理論」を勉強したりといった
相互の履修が行われています。
その他にも、ビジネス・スクールで
行われているようなケース・メソッド教育について、
導入と実践に向けて一緒にプロジェクトに取り組んだり、
専門職大学院に在籍する学生だけでなく、
広く一般の方を対象としたレクチャー・シリーズを
季節に1回開催しています。
残念ながら、この秋のレクチャー・シリーズは、
先週23日に「身近に触れる知的財産権」という
タイトルで法科大学院とビジネス・スクールの
先生のセミナーが開催されたばかりですが、
次は2月18日に予定されています。
このように、総合大学としての強みを活かした
特色あるプログラムが、ビジネス・スクールには
あるということを今日はご紹介させて頂きました。