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2006年06月16日 08:20

財投縮小問題 (村藤/財務)

小泉政権もあとわずか― 
しかし、小泉改革というのは決して完了したわけではありません。
むしろ始まったばかりとさえ言えるでしょう。
財政投融資改革は小泉さんが行った一番の取組と言えますが、
誰が次の総理になろうとも、
これからこの問題を引き継いで
更なる改革を断行していけるのかどうかという辺りが一番の問題となります。


■ 政府の収入は大きく分けて2つある

政府の収入は大きく2つに分けられます。
1つは税金や社会福祉費用など、
国民から見ればわりと分かりやすいものです。
もう一つは財政投融資に他なりません。
2つ目の財布、あるいは隠し財産とでも言うべきでしょうか。
郵政公社の郵便貯金や簡易保険、
そして年金資金など、
総額で5百兆円程度が資金運用部経由で政府に渡り、
勝手に使われていました。


■ 財政投融資の投資先

分かりやすい投資先は高速道路の建設でしょう。
おかしなものでは、
「鹿しか通らない道路」や、
「飛行機が1日に1、2回しか飛ばない飛行場」などもあります。
バブル崩壊後、政府は善意で公共投資を行ってきました。
しかし、変なものを多く作る結果となってしまいました。


このままでは国民の大切な資産を徒に浪費してしまうということで、
自民、民主が財政投融資縮小の方向で合意を取り付けています。


■ 財政投融資5百兆円の意味

自分の郵便貯金の5百万円だとか1億円くらいだと
想像はつくと思います。
しかし、財政投融資5百兆円-
「兆円」などと言われると頭が真っ白になって
分からなくなってしまうのではないでしょうか。


英米は3桁刻みです。
0が3つでサウザンド,6つでミリオン,
9つでビリオン,12個だとトリリオンといった具合に。


一方、日本や中国は0が4桁刻みです。
0が4つで万、8つで億、12個だと兆です。


このような日本の桁の考え方で、
5百兆円という財政投融資をどのように捉えればよいのでしょうか。
兆円は0が12個ですから、
億で割ると0を8つ引いて4つ0が残ります。
既述のように、0が4つは「万」に対応します。


話を簡単にするため、
日本の人口を大雑把に1億人と考えることにしましょう。
1兆円を1億人で割れば一人当たり1万円です。
つまり、2つ目のポケットのお金である
財政投融資の規模が5百兆円というのは、
政府が、国民1人当たり約5百万円というお金を
勝手に使ってきたということを意味するのです。


■ 財政投融資改革の行方

郵政公社や道路公団の民営化、
公的金融機関の統合、
あるいは住宅公庫の住宅ローンを民間に任せようとする動きなどは、
小泉さんの取り組んできた主たる改革ですが、
これらのほとんどは財政投融資の縮小にかかわっていると言ってよいでしょう。
これらは改革の第一歩ということで、
財政投融資改革の継続はポスト小泉に委ねられるということになります。
財政投融資改革の行方は、
次期首相に誰が就任するかによって変わってくるでしょう。


小泉さんは竹中さんと共に
経済財政諮問会議を通じて省庁や族議員と戦ってきました。
安倍さん、福田さんがどれだけ小泉さんと同じように戦えるのか。
福田さんに戦う気があるのか、
安倍さんは小泉さんのようにリーダーシップを発揮できるのか。
この辺りが注目されるところでしょう。


■ 政治と財政投融資改革

政策のポストという意味では、
自民党がよいのか、あるいは民主党がよいのかという考え方もあります。
ただし、現段階では小沢さんが多くを語っていないのでよくわかりません。
もともとは小沢さんも財政投融資縮小論者で、
民主党も小泉さんと一緒に財政投融資縮小を研究していました。


郵政民営化にはもともと民主党も大賛成だったのですが、
小泉さんが郵政民営化をやろうとしているので、
野党として反対しなくてはならなくなりました。
民主党の若手議員の中には、
実は賛成なのだけれど、党議拘束で反対せざるを得ず、
国民にはよくわからなくなってしまうといった問題もありました。


■ 消えた財政投融資の穴埋は税金

財政投融資がこれまでの色々なトラブルによって
随分消えているものと思われます。
5百兆円預けたはいいが、
いざ返してもらおうとしても、お金がない可能性があります。
無論、全部ないということはありえませんが、
4百兆円、4百50兆円くらいしか返還されないということになると、
返ってこないのは郵便貯金なのかあるいは年金なのかという問題が生じてきます。
いずれにしても政府は返還を約束しているので、
一般会計からの投入によって返すということになります。


我々は、郵便貯金は必ず返ってくると思っていますが、
結局は我々の税金から政府が返還するということになります。
この損失を小さくするためにも、
郵政公社の民営化は不可欠だったと思います。

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