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2006年12月22日 08:20

道路財源の一般財源化 (財務/村藤)

今回は道路特定財源の一般財源化
という話をしていきたいと思います。
結論から言うと、
揮発油税の一般財源化の戦いは
先送りされることになりました。


■ そもそも道路特定財源とは?

今回のことは国民にとってみれば
少し分かりにくい話です。
そもそも「道路特定財源」とは何なのでしょうか。


道路特定財源とは、その名の通り
使い道を道路整備に特定した財源で、
田中角栄さんの議員立法を下に
1954年に創設されたものです。
安定した財源を基に、
旧田中派を中心とした自民党議員たちが
道路予算の配分で強い影響力を持つ源となりました。


実は道路特定財源というのはたくさんあります。
まず、国と地方にそれぞれ特定財源というものがあり、
双方を合計すればその額は5兆8千億円にのぼります。
国の特定財源には自動車重量税、揮発油税、
石油ガス税などがあります。
地方についても自動車取得税や軽油取引税などの
約2兆円の特定財源があり、
地方の道路整備などに充てられているのです。


■ 道路特定財源の一般財源化

道路特定財源導入のおかげで、
必要な高速道路はだいたいできたと言ってよいでしょう。
しかし、このまま放っておくと、
今度は必要もないのに道路や高速道路を
どんどん作ってしまうことになりかねません。
一方で、社会福祉にはたくさんのお金が必要だし、
また、国債も返済しなければならないという
逼迫した財政事情があります。
そういったわけで数年前、小泉さんは、
道路特定財源は一般財源化した方がいいだろう
と言いはじめたのです。


■ 揮発油税の一般財源化を巡る騒ぎ

道路特定財源のうち、自動車重量税については、
道路族議員の中でも一般財源化やむなし
という空気が漂っていました。
しかし、11月末、安倍さんが
経済財政諮問会議において、
自動車重量税だけではなく揮発油税も含めて
一般財源化するというようなことを発言しました。


道路族議員たちは驚き、そして怒ります。
道路整備費財源特例法という
法律の改正を行うことなしに、
その一部を特定財源から外して
使い道を増やすことが可能な自動車重量税については、
ある程度仕方ないにしても、
揮発油税まで一般財源化されてしまうと
高速道路が作れなくなってしまいますから、
道路族議員として流石にそれは許せないわけです。
ちなみに、揮発油税は約3兆円にのぼり、
国の道路特定財源の83%を占めます。


再来年の3月で現在の5ヶ年計画は終わります。
道路族としてはその次の5ヶ年計画作って、
引き続き一生懸命高速道路を作り続けたい
というふうに思っていたので、
その財源として揮発油税は死守したいわけです。


■ 揮発油税の一般財源化の戦い、先送り

安倍さんは、必ずしも道路が必要ない
と思っているわけではなく、
必要な道路ならば作ってもいいのではないか
というふうに考えていたので、
道路族に押し返されてしまいます。


結局、来年1年かけて、
どんな道路が真に必要かを考え、
その必要な道路は作ろうということで、
来年中に中期計画を作った上で、
道路歳出を上回る税収を
一般財源化する仕組みを入れた法律を
08年度の通常国会で通しましょうということになりました。


今回の合意において、08年度の税収に
「揮発油税」の文言が入れられなかったところをみると、
道路族議員や国土交通省は
揮発油税を入れない方向で戦うつもりだと思われます。
冒頭で述べた通り、「揮発油税」の一般財源化の戦いは
2008年度以降に先送りになったと見てよいでしょう。


■ 道路特定財源の使い道

道路特定財源の使い道の選択肢として、
どのようなものがあるでしょうか。
道路族議員としては、道路特定財源を使って
今後もずっと道路を作り続けたいわけですが、
自動車業界などは、新たな道路が必要ないのであれば、
道路整備促進の名目で
本来の税率の2倍となっている暫定税率を廃止し、
納税者に還元すべきだと主張しています。
しかし、国の財政事情はとても厳しい状況にあります。
政府の借り入れも非常に大きいですから、
国債返還や社会保障費に使おう、つまり
特定財源の一般財源化を行おうと言ったのが小泉さんです。
このあたりが現段階で議論されている
主要な選択肢ということになるでしょうか。


私はこれ以外にも検討すべき選択肢があると考えています。
去年から省庁別財務諸表というものが導入され、
現在では、たとえば国土交通省の借り入れなどを
計算出来るようになっています。
であるならば、道路特定財源を用いて、
まずは道路整備のために行った借り入れを
返還するべきだというのが私の主張です。


道路特定財源を一般財源化するということは、
政府がはじめに約束したこととは
違うことをするということですから、
本来ならば国民に返すのが一つの筋だと思います。
しかしながら、政府はおよそ265兆円の債務超過に陥っており、
お金を返さないと大変な状況にあります。
とは言え、道路特定財源を用いて
全体の国債を返すというのは
道路のために徴収するといったもともとのお願いと
全く違う話になってしまいますから、
私としては道路の為の借り入れを返すのが
望ましいと思うわけです。

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