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2007年06月28日 07:40

オープンソース(産学連携マネジメント/高田)

■オープンソースvs特許の攻防
コンピューターソフトウェアの世界に、
“オープンソース“という言葉があります。
典型的なのはOSとして利用が進んでいるリナックスで、
無償で利用できて改良も自由という特徴を持つため、
ネット経由で多くのソフトウェアエンジニアが入手し開発を進め、
またそれを交換しあうことで急速な進化を続けている
という特徴を持ちます。


このオープンソースのソフトウェアに対して、
マイクロソフト幹部が「リナックスを含むオープンソース・ソフトは、
200件以上ものマイクロソフトの特許を侵害している」
といった主旨の発言を米国の有名な経済誌で行ったことから、
オープンソース側のコミュニティは警戒を強めています。


当のマイクロソフト側は、
「侵害者を直ぐに訴えることはしない。
特許のライセンスを受ければ問題はない。」
という説明を繰り返していますが、
マイクロソフトは、
ご存じの通りパソコンやサーバーのOSではリナックスと競合しているため、
オープンソースのコミュニティには動揺が広がっています。


そもそも、特許もオープンソースも、
共にイノベーションを加速するための手段として存在しています。


■特許の考え方とオープンソースの考え方
特許制度の根幹は、優れた発明を行った個人(法人)に
“一定期間の独占権”というインセンティブを付与する代わりに、
技術内容を公開させ、後の技術革新を促す、
という原則の上に成り立っています。

一方、オープンソースは、
OSの様なプラットフォーム技術について、
1企業が独占して開発を進めるよりも、
大勢が関わってそれぞれに工夫を凝らし、
改良を加えていくことで皆が使いやすいものが出来上がるハズであり、
特許はむしろそのような自由な共同作業を阻害するものだ、
という考えの上に成り立っています。
つまり、開発の過程で生まれる何百もの特許に対して
いちいちライセンス料を払っていては
コストとスピードの面で立ちゆかなくなる、ということなのです。

■パテントフリー
従って、ソフトウェアの世界では、
むしろパテントフリー(特許があっても権利侵害等を申立てない)
というルールに基づいて開発を進めようとする動きが活発化しています。
例えばIBMは、
ソフトウェアに関する約500件の保有特許について、
『パテントコモンズ(コミュニティの共有財産的扱い)』という概念のもとに、
ソフトの開発者に対して無償供与することを表明しています。


このような環境にある中で、
マイクロソフトが特許侵害の話を持ち出したので、
業界が一斉に騒ぎ始めるのも当然といえます。
このような危惧は、ソフトウェアの世界に特許が存在する限り、
永遠になくなることはないでしょう。


■ソフトウェアの世界に特許は必要なのか、不要なのか?
では、ソフトウェアの世界に特許は不要なのでしょうか?
あるいは、特許制度は現状のままでよいのでしょうか?
この点について、もっと真剣に答えを出していく必要があります。
例えば、特許の“有効期限“は出願から20年間ですが、
特許が成立するには、普通だと3年程度を要します。
進化の早いソフトウェア業界で、
3年間も権利が確定するかしないかわからないのは少々悠長すぎるし、
逆に20年間も独占権を持つ必要はありません。
結局、特許制度に依存することなく
オープンなソフトウェア開発が進むということは、
ソフトウェア領域における特許の必要性や
制度そのものの妥当性について
根本的な疑問が投げかけられていることを意味しているようにも見えます。


もちろん、特許制度自体は優れた制度であり、
イノベーションのためのツールとして欠くことはできませんが、
あくまでもツールであり、
特許そのものが目的となるべきではありません。
最終的にはイノベーションを起こすことが重要なのであり、
そのために、必要に応じ、
かつ良識を持って特許を使うという意識を持つことが重要だと、
一連の出来事を見て改めて感じます。

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