BBIQモーニングビジネススクール > 産学連携の幅広いカタチ(2)(高田/産学連携マネジメント)

2007年10月17日 07:40

産学連携の幅広いカタチ(2)(高田/産学連携マネジメント)

前回は、技術開発だけに留まらない
産学連携の多様な事例について
紹介しました。
そもそも、なぜそのような
幅広い産学連携活動が
注目されているのでしょうか?
その理由を整理してみると、
企業や地域(社会)の立場と
大学の立場の双方から、
次の2点が浮かび上がってきます。


(1)企業や地域は自前主義では存在し続けられない
社会全体の価値観が多様化(それも急速に!)
していることに対して、
もはや自前主義では有効な策を見出せないのは、
何も技術開発に限った話ではありません。
既存の枠組みに囚われないアイデアが必要だったり、
従来とは異なる新しい人材育成を
行なったりしなければならない場合、
必然的に解決手段を
外に対して求めざるを得なくなります。
このとき“大学”は、適度に中立的で、
適度に信頼感があり、
適度に安上がり、というイメージがあることで、
“相談相手”として選択されることが
増えているのではないかと考えられます。


(2)大学自身が生き残りの道を模索し始めた
今や大学は“全入学”時代
(入学定員にたいして応募者総数が下回る時代)となり、
他大学との差別化が出来なかったり、
評判が悪いまま放置していたり、
放漫経営を改善出来なかったり、
ヘタをすると倒産してしまう時代になりました。
国からの予算も減る一方なので、
経営的に成り立たせるためには
外部から競争的資金を
積極的に獲得せざるをえません。
また、“認証評価”といって、
大学を第三者が客観的に
評価する仕組みが構築されつつあり、
ある意味では“やりっぱなし”では
評価に耐えられない時代になりました。
必然的に、自らが保有する学術資産を
有効に活用して
社会の役に立つ存在であることをアピールし、
ついでに運営費の一部も獲得することが
かなり広く行なわれるようになりつつあります。
これが、多様な産学連携の進展を
後押ししていると思われます。


では、幅広い産学連携を
成功に導くポイントとは何なのでしょうか?
大学の立場に立つと、
学外の期待は大きくなったとしても、
期待されたことに対して
十分な成果を還元できなければ、
次からは二度とお声がかからなくなります。
その意味で、“大学”という存在に
あぐらをかいたままではダメで、
きちんと成果を出すことが
当然のこととして求められます。
一方、企業や地域(社会)の立場に立つと、
相手が大学ということで過度に期待しすぎたり、
依存しすぎたりするのでは、
適正な関係とは言えません。
よく、「大学は役に立たない!」ということを
口にする人がいるが、
よくよく聞いてみると、
相手方の大学の能力をきちんと理解しないまま、
まるで魔法の玉手箱か何かのように位置づけ、
実現しそうもないことを勝手に期待したけれども
その通りの結果が出ないために
文句を言っている、ということがあります。
以前の放送で、産学連携を支援するコーディネーターは
お見合いのおばちゃんに例えられるという話をしましたが、
産学連携を行なう大学と企業(あるいは地域)は
まさに夫婦のような関係です。
信頼感に基づくパートナーシップの元に
どのような成果をどうやって生み出すのかを
きちんと話し合い、その過程の苦労や喜びを
共有し共に歩んで行くことが、
より良い価値を生み出すことにつながります。

(産学連携の幅広いカタチ(2))MP3ダウンロード

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