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2007年11月07日 07:40

北部九州の港湾を考える (国際経営・国際ロジスティクス/星野)

今日は、九州がこれから
成長していくために欠かせない、
港湾機能の充実について
お話ししたいと思います。


■「自動車アイランド」九州における港湾の重要性
自動車アイランドといわれる九州では、
昨年100万台の自動車生産台数が達成され、
現在、150万台に向かって
着々と計画が進められています。
日産自動車、トヨタ九州、ダイハツ九州の
施設の拡充を見ると、生産能力だけでは、
まもなく
150万台の生産体制が整うことになります。


自動車の生産には、
1台あたり2万点から3万点の
部品の調達が必要です。
現在、九州内での部品の調達率は
50から52%程度と言われており、
残りの半分は
九州の外から集めてくることになります。
最近では、国内だけでなく、
中国からも部品が輸入されています。
さらに、生産された完成車の多くが、
中国、アメリカ、ヨーロッパなどに
九州から直接輸出されています。


自動車の部品を九州外から輸送してくる、
あるいは完成車を海外へ輸出するためには、
その拠点である港湾が非常に重要となります。
港湾は、自動車産業関連だけではなく、
九州の農作物の輸出入など、
その他の貿易を支える
結節点としても重要です。


■北部九州地域の港湾で生じている問題
北部九州および周辺地域には、
4つの重要な港湾があります。
貿易港として伝統的な門司港と下関港、
コンテナ貨物の扱いの
伸び率がめざましい博多港、
自動車の完成車が輸出される苅田港です。
苅田港は、自動車船の寄航という
目的に特化した港湾であるため、
問題はないとしても、
関門から博多という
限られた距離の間にある3つの港は、
それぞれ同様の施設の拡充に投資をしています。
特に問題になるのは、コンテナ・ターミナルです。
この問題を複雑にしているのは、
それぞれの港湾の管理者が異なるということです。
門司を含む北九州港は北九州市、
博多港は福岡市、下関港は下関市、
苅田港は福岡県の管理です。


北九州市の響灘にある
「ひびきコンテナターミナル」
の問題については、
新聞報道でもよく取り上げられおり、
ご存知の方も多いと思います。
「ひびきコンテナターミナル」は、
2005年4月に、日本で初めて
PFIという民間資金を活用した
公共施設建設の手法によって
開発された港湾です。
超大型のコンテナ船にも対応できる
15メートルの水深のある
コンテナターミナルが2基、
供用開始されました。


当初の見通しでは、
コンテナを初年度の2005年に7万TEU、
2006年度に14万TEUを
取り扱う見込みでした。
しかし、実際には5,823TEU、
昨年度は2万9358TEUで、
計画の1割から2割程度に留まりました。
損益分岐点は、
年間20万TEUといわれていますから、
コンテナターミナルは作ったものの、
船も貨物も期待されるほどには
取り扱えていないという状態です。
これは、北九州市の管轄内にある
他の港湾、さらに近隣の港湾と
競合しているためです。
2006年度の累積損失は
17億8500万円であり、
最近、北九州市が45億1000万円で
買収することになりました。


北部九州の目前には、
巨大な投資によって開発中の
韓国の釜山港や光陽港があります。
また、上海港は、
まもなくコンテナの取り扱いにおいて、
世界最大の港になろうとしています。
こうした港湾を目前にし、
北部九州の各港湾は、
アジアのゲートウェイとして、貿易促進
あるいは効率的なサプライチェーンのための
体制作りをしなければならない時期に、
同じ地域の近隣港湾間で
競争を行っているといえます。
最近、
国土交通省九州地方整備局を中心に、
ようやく北部九州4港の
管理者も含めた関係者が集まり、
北部九州港湾基本構想策定委員会が
発足しました。
大きなビジョンを持って、
九州の発展のために貢献しうる
港湾のあり方が論議されることを
期待しています。


個人的には、
北部九州の各港は、
ひとつの管理者の下で
効率的な施設の拡充と運営が
なされる必要があると考えています。
そのような構想を考えるときに、
いつもアメリカの
ニューヨーク・ニュージャージー・ポート・オーソリティを
思い浮かべます。
これは、ニューヨーク州と
ニュージャージー州にある
港湾、空港、道路などを運営する、
ひとつの公的機関の管理者です。
一国にも相当する
自立性の高い州であっても、
必要と考えれば統合するという
良い先行事例だといえます。
この事例に基づいて考えれば、
福岡県内と下関の港湾の統合は、
さほど大きな問題ではないと思うのです。

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