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2008年01月18日 07:40

温暖化対策のコスト(財務戦略/村藤)

地球温暖化の取り組みの中で、
政府や企業がCO2の排出権を購入するとか、
また、私たちが普段エコロジーをするうえでも、
地球に優しいことのために
お金がかかるということになり、
地球温暖化にはコストがかかることが
明らかになりつつあります。


■国連の専門組織によるコストの見積り
地球がどんどん暖かくなって、極地の氷などが溶けて
海面上昇や砂漠化の発生といった懸念がある中で、
何とか温暖化ガスを減らさなければいけないということで、
京都議定書や、その後のバリ会議というものが
開かれたわけですが、
温暖化をくい止めるために
お金が一体どれくらいかかるのかが問題です。
世界中のGDPが5,000兆円から6,000兆円くらいあって、
そのうち日本が10%位で、
アメリカが20%ぐらいなのですが、
世界のGDPの5%位は
かかるかもしれないといわれています。
要するに、300兆円くらいかければ何とかなるかなと、
IPCCというところが言っています。
IPCCというのは
Intergovernmental Panel on Climate Changeという
国連の専門組織で、
温暖化の影響について研究しています。
百数十ヶ国の科学者達がそこに集まって、
地球が暖かくなっていくと将来どうなってしまうのかを
みんなで研究しているわけです。
IPCCの研究によれば、今後20~30年の努力が鍵で、
今世紀末からの100年で
2~3度くらいの気温上昇で抑えておかなければ、
20~30%の生物が死んでしまうのではないかというような、
ちょっと怖いことを言い始めています。


■京都議定書の枠組み
そこで、みんなで頑張るかといって最初に作ったのが、
1997年の京都議定書という枠組みでした。
この京都議定書枠組みは、
2008-2012年の5年平均で、
CO2の排出量を1990年に対して
5%程度削減することを決めたものです。
しかしながら、これは元々、
先進国だけの義務であり、
日本を含め40ヶ国くらいの先進国が、
全部合わせて5%減らすことにして、
その内訳を見るとEUが8%とか
アメリカが7%とか日本が6%
というようなことを言っていたのです。


最初、アメリカのクリントンやゴアは、
7%目標を分かったと了承していたのですが、
途中でアメリカの上院が、
どうして先進国だけで中国やインドは入っていないのか、
それが許せないと言い始めました。
そして、クリントンがブッシュに変わった時点で、
ブッシュが、アメリカは脱退だと言って、
京都議定書から逃げてしまったのです。
アメリカがいなくなってしまった上に、
中国やインドという発展途上国は義務無し
というようなセットアップなので、
いろいろと限界があります。
それでも、40ヶ国の先進国が集まって
2008年から12年の5年間平均で
1990年に対して5%削減しようという話になったのです。


■排出権取引の仕組み
EUとか日本が、
どうやって8%とか6%とか減らすのかといいますと、
EUは東ヨーロッパという
今まであまり環境対策をしていなかった地域があるため、
この地域で環境対策をすれば
結構簡単に達成出来るのではないかという読みもあります。
これに加えて、排出権取引という新しい枠組みができたので、
自分で温暖化ガスを減らさなくても、
排出権を買ってくれば、
それで義務を達成したことになります。
ヨーロッパでは温暖化ガス削減義務を
個別の企業に落として排出権取引が始まっています。


ところが日本は、
温暖化ガス削減義務を個別の企業に
まだ落とせていません。
環境省が、ついに今年の1月になって、
温暖化ガス削減義務を個別企業に
割り当てる検討を始めたという状況です。
アメリカは、一旦京都議定書から逃げたのですが、
株式や商品のような取引市場を使った儲け話としては興味があるようで、
排出権取引も導入しようという動きが
かなり出てきています。
下手をするとアメリカが一気に排出権取引を初めて、
日本だけ遅れるかもしれません。
大体、欧米が組むと、
日本はいじめられっ子になるパターンが多いので、
そうならないように気をつけないといけませんね。
そういう中でバリ会議が、
インドネシアのバリ島で行われました。


■バリ会議
京都議定書の実行期間である2012年が終わった後は、
何も合意がありませんので、
京都議定書の後の温暖化ガス削減義務について
合意しようという話が始まりました。
ここで、バリ会議の議長国であるインドネシアが、
90年に比べて25%から40%位は削減しようという話をし始めて、
ECがそれはいい考えだと乗っかりました。
一方、アメリカと日本はびっくりして、
それはなんとか辞めてくれないかと言っていました。
しかしながら、日本としては
みんなに入ってもらわないと困りますし、
アメリカと中国とインドが入れるような枠組みを
作らないと困ります。
結果として、ダブルトラック・アプローチというのですが、
今までの京都議定書に合意していた先進国による作業部会と、
それからアメリカや中国を含む
全ての国が入った作業部会を2つつくって、
これから2009年までに全体の数値目標を合意しよう
という話が決まりました。
途上国を支援しようという話も出てきて、
福田首相によれば、
途上国に5年で1兆円は支援しようという
景気のいい話をしています。
日本政府の財務はかなりひどいですから、
よく他国を支援するお金があるなとは思うのですが、
日本としても世界のGDPの
1/10くらいは持っているわけですから、
何とか世界に貢献しなくてはいけないということで、
いろんな事を言っています。


■今後の日程
それぞれの国々に思惑があって、
なかなか進まないという感じがするのですが、
今後の外交日程を確認しておきましょう。
今年の7月に日本を議長国とする洞爺湖サミットがあって、
ここにみんなが集まってきますので、
とりあえず福田首相としては、
ここで主導権を何とか取りたいところです。
また、今年の年末にはポーランド会議があって、
そこでそれまでの交渉結果を反映させて
来年までには数値目標を合意しよう
という流れになってきています。
来年2009年にはデンマーク会議がありますので、
ここまでに京都議定書に次ぐ新しい議定書、
プロトコルを何とか合意する予定ということです。

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