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2008年02月29日 07:40

消費税引上論(財務戦略/村藤)

今日は、消費税についてのお話です。
私達も何かを購入する度に
消費税を支払っているわけですが、
昔は3%だったものが
いつの間にか5%に上がっていました。
3%から5%の時は、
あまり大きなショックはなかったのですが、
皆さんはどのような感覚をお持ちでしょうか。
まだまだ低いので、もっと引き上げて
10%、15%にしたらよいのではないか
と主張する人達も出てきています。
特に外国と比べると低いという話はよく聞かれますが、
現状はどうなのでしょうか。


■一般消費税と個別消費税
そもそも消費税というのが、
何のことを指しているのかということを
落ち着いて考えなくてはいけません。
日本の消費税というのは、
皆さんが5%払うと
日本全体でいくらぐらいになるのかといいますと、
13兆円くらいになります。
兆を億で割ると万になりますから、
13兆円を1億人で割ると、
国民一人当たり
大体13万円くらい払っているという感じです。


ただ、ちょっと落ち着いて考えなくちゃいけないのは、
消費税というのは正確にいうと、
一般消費税というもので、
それとは別に個別消費税というものもあります。
お酒やタバコにかかる税や、
ガソリンで問題になっている揮発油税が
この個別消費税にあたります。
これらは購入時に支払うことになっています。
そういう意味では、消費税といっても、
何を買っても5%とられる一般消費税の他に、
酒、タバコ、ガソリンの購入時に多額の税金を取られる
個別消費税というものもあるわけです。


■税収全体に占める一般消費税の割合
所得税や法人税というのは直接税で、
消費税は間接税なのですが、
間接税には一般消費税や個別消費税の他にも色々あって、
それらを全部合わせると43兆円になります。
とすると一般消費税の13兆円というのは、
間接税の30%位しかないわけです。
全体から見ると税収は89兆円ですから、
89兆円の15%程度が一般消費税という話なのです。
5%の一般消費税で13兆円ということは、
それを1%上げると2兆円余り入ってくる
というくらいの話なのです。


■消費税を上げたい人たちの理由
消費税を上げたいという人達もいれば、
上げたくないという人達もいます。
私は上げたくないと思いますので、
上げたい人が増えてきて困っています。
上げたい人に言わせると、
もう上げざるを得ない状況になっているのだ
ということになります。
まずその上げたい人達の理由は
何なのかを確認しましょう。


政府は2011年までに
国のプライマリーバランスを黒字にする
ということを約束しています。
すでに支出はかなり削りましたので、
これ以上は削れない。
支出を削れないのだとすると、
収入を上げるしかないだろう。
それで、その上げる収入は、
消費税でいかがなものでしょうか
というのが一つの考え方です。
与謝野薫が会長を務める
自民党の財政改革研究会というものがあるのですが、
これは消費税を5%ではなくて、
10%程度にしたらいかがかという提案をしています。
現行の5%で13兆円ですから、
それが10%になると26兆円と、
13兆円の税収アップになるわけです。


プライマリーバランスを
黒字にしなくてはいけない一方で、
そもそも少子高齢化で社会福祉費用が
どんどん膨らんでいくという状況のもとで、
基礎年金の国庫負担を来年度までに
現在の3分の1から2分の1に引き上げよう
というようなことを数年前に決めています。
この財源として2.5兆円が必要です。
2.5兆円というのは1%と少しくらいなのですが、
このために消費税を上げよう
というような説もあります。


ところで、少子高齢化で
どれ位お金が必要かといいますと、
これは大変な金額になります。
5%アップでは到底済みません。
5%が10%に一度上がるにとどまらず、
それからさらに15%になり、
その次は20%になるかもしれません。
社会保障負担を消費税でやろうとすれば、
最終的にはどこまで上がっていくか
さっぱり分からないというくらい
延々と上がり続けることになります。


■消費税を上げたくない人たちの理由
それでは、私を含めて
消費税を上げたくない理由というのは
何なのでしょうか。
そもそも消費税をめぐる将来展望としては、
二つしかないのではないかと現在言われています。
片方は、消費税を上げて
財政を再建しようという人たちで、
もう一方は、成長路線といったような
安倍元総理や中川元幹事長や竹中元大臣のような
成長すれば税金なんか上げなくても
何とか出来るようになるという人たちです。
このように、成長か、
それとも消費税アップによる財政再建か
という二つの選択肢しかないように
思われているのですが、
実はこれもウソっぱちです。
成長すれば税率を上げなくても大丈夫
というのは間違いないのですが、
ここ最近、成長できないような見込みが
高いといえます。


そうであれば、
消費税を上げなくてはいけないのか
といいますとそれも違います。
例えば今現在で国の資産は
どれ位あるかご存知でしょうか。
国の借金が千兆円あるかもしれない
と言われているところですから、
千兆円位の資産があると思ってしまいますが、
債務超過が262兆円というのが
直近で発表された中央政府の債務超過になります。
ちなみに、これには地方の債務は入っていません。
一般会計と特別会計と特殊法人、
独立行政法人等を連結すると、
連結資産が840兆円、
負債が1100兆円くらいになります。
まだ資産が800兆円以上ある訳ですから、
毎年20兆円の資産を売却していけば、
10年で200兆円を売却しても、
まだまだ沢山の資産が残ります。
そういう意味では、
持っている資産を売却したり、
持っている事業を民間に売却したりする、
あるいは民営化していくということを
毎年やっていけば
お金は入ってくるという選択肢が
実は可能なのです。
予算不足分だけでは
有利子負債を減らせませんから、
本当はもっと資産や事業を売却・民間移転して
有利子負債を減らずべきです。


■消費税論議の行方
いつも言っていますが、
政府や官僚の人達というのは、
毎年の小遣い帳しか付けておらず、
単年度のキャッシュを、
予算を作って使うということしか
やっていませんから、
持っている資産が見えていないのです。
資産を使って予算の不足分を稼いだり
有利子負債を減らしたりというのは、
民間では当然の考え方で、
これはもっと大々的にやるべきだと思います。
それによって当分は消費税を上げなくても大丈夫だ
というのが私の考え方です。
今後、衆議院選挙が始まるということになれば、
当然この消費税論議というのは
しなくてはいけなくなってくるでしょうから、
その辺りで政府にも
はっきりと示して欲しいものです。
また、マスコミも政府に騙されて
よく勘違いしていますから、
落ち着いて政府の資産や現業について
一度勉強された方がいいのではないかと思います。

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