2008年03月18日 08:00
中国企業(中国ビジネス/国吉)
今日は、中国企業が抱えている問題を、
前回同様、具体的な例を交えながら、
お話しします。
■中国企業の競争力の源泉と産業構造
近年技術が急速に進歩し、
複数の回路のモジュール化、
部品のユニット化など、
技術的なある一定の調達力があれば、
ハイテク領域に対する
新規の参入が
非常に容易になってきました。
中国のエレクトロニクスの企業も、
外国からの技術導入、
モジュール化、
ユニット化、
コンピュータを使った設計製造(CAD/CAM)
などの技術導入をし、
中国の企業も急速に
最近技術力を高めていることは事実です。
しかし、まだまだ競争力の源泉は、
コアの技術や核心となる技術というより、
組み立てを中心にした製造のコスト力や、
広大な中国国内マーケットを背景とした
販売力です。
したがって多くの中国の
エレクトロニクスの企業も、
コアの技術を含む、
部品、半導体、
電子デバイスなどの
多くを輸入に頼っているという
産業構造になっています。
それから、
国有企業改革というのが
数年前に行われたのですが、
まだ企業経営の中に
政府の影響が強く残っています。
売上の目標や、
会社の人事に対して
地方の政府が介入したりする
ケースがよくあります。
■中国企業の海外進出
それから、
最近中国企業の海外進出が増え、
貿易摩擦を起こしたり、
企業買収した企業で、
相手側の企業が
経営の負の遺産を持っていたり、
十分な国際人材や
国際的なネットワークがなかったりなど
というようなことが原因で、
海外事業で苦戦を
強いられているようなケースも
少なくないようです。
具体的な企業の例をニつ挙げます。
フランスのトムソンという会社が
持っている
テレビやDVDの事業を買収して苦戦している、
広東省のTCLという、大型の企業があります。
そのTCLという会社で
有名なトップの李東生さんという方は、
自分の会社の経営の厳しさを
従業員に理解させるために
「鷹の再生」という例え話をします。
鷹は鳥の中で一番長寿なのだそうです。
鷹は40歳の時に、
自分で自分の羽根を傷付けることによって、
その再生を待って、
70歳までの長寿をまっとうすると
言われているそうです。
この羽根を傷つけるという行為を例に出して、
痛みに耐えて会社を再生しようと訴えました。
非常に面白い例えです。
これはDVDになっており、
社員研修で使われているそうで、
社員を鼓舞しています。
この会社も急速に国際化したため、
十分な体制や人材が
ついてこなかったということが、
海外進出で苦労した
原因だったと思われます。
具体的な企業の例を
もう一つ挙げます。
中国のテレビ業界で
ナンバーワンの実績を
ずっと誇ってきている
「長虹(Chang Hong)」
という会社です。
この会社は、
四川省の綿陽市という、
随分奥地の方に位置しています。
中国の中でテレビがどんどん売れ、
飽和状態になり、
販売が頭打ちになっていく中で、
2001年以降アメリカのマーケットに
どんどん輸出を始めました。
これが、1年間に10倍増加するほどの、
ものすごく大きな伸びでアメリカに
輸出されていったものですから、
アメリカからアンチダンピングの
提訴を受けました。
1年間色々とあり、
結局黒と裁定されまして、
ダンピング課税を受けました。
中国企業はまだまだこれから大きくなりますし、
今例に挙げた長虹も人
材を積極的に育成しながら、
更に色々な国際提携を
積極的に行っています。
日本の企業を買収したというケースは
まだまだそんなに多くはないのですが、
2001年頃に上海電気集団という
上海にある会社が、
印刷機械を作っている
秋山印刷という会社を
買収したというケースは有名です。
資金はあるが、技術力、
ブランド力がないという中国の企業が、
技術と、一定のブランドはあるが、
経営不振の日本の企業を買収したという、
これも一つの国際連携の一つの姿で、
これで企業が再生しています。
■日本と中国の相互補完関係
まあ隣国の日本としては、
中国企業の海外進出を脅威だと
感情的に見るのではなくて、
日本を含む世界中の企業も国境を越えて
どんどんグローバルな
企業活動をしていっており、
中国の企業も同じなのだと
冷静に見る必要があるでしょう。
しかし、まだ中国企業の海外進出は
まだまだ初期の段階です。
日本の企業は、
過去国際社会で経験した、
様々な貿易摩擦やトラブルを、
短期間に集中的に今経験しています。
そこで、日本と中国とが、
お互いが相互補完の関係を作りながら、
秩序ある国際競争の場を
築いていくためにも
日中間の企業同士がよく交流し、
あるいは連帯していく
ということが大事ではないかと思います。