2006年08月04日 08:20
日銀のゼロ金利解除 (村藤/財務)
3月の量的緩和解除、
そして先月のゼロ金利解除と、
ここのところ日銀がスポットライトを浴びています。
しかし、これはなかなか難しいお話ですので、
今回はゼロ金利解除のご説明をさせて頂きたいと思います。
■ ゼロ金利解除とは?
春に量的緩和政策を解除したかと思えば、
今回はゼロ金利政策の解除。
なんだか似たような話に聞こえて
よく分からないという声をよく耳にします。
以前、量的緩和政策解除のお話をした際、
国債を売ることで当座預金を減らす
という話をしましたが、これ以降も
金利は0のまま維持するということが続いてきました。
今回のゼロ金利解除は、
「ゼロ金利をやめます」
と日銀が宣言したということです。
■ ゼロ金利解除の3つのポイント
今回のゼロ金利解除のポイントはどこにあるのか?
新聞などをよく見ると大きく3つあります。
それは、
1.無担保コール翌日物金利が0%だったのを0.25%にする。
2.公定歩合が0.1%だったのを0.4%にする。
3.これまで日銀が行ってきた毎月約1.2兆円の長期国債の購入を維持する。
というものです。
■ 無担保コール翌日物
一つ目のポイントについてですが、
そもそも無担保コール翌日物とは何なのか?
無担保コール翌日物市場とは、
銀行が毎日の資金繰りを調整する市場のことです。
毎日の資金繰りにおいて、
銀行が足りない部分を
どこからか調達しなくてはいけなくなった時、
通常この市場で調達を行います。
「翌日物」という言葉からも分かるように、
明日まで貸してくれというものです。
銀行として破綻しない為に
まず借りるのがこの無担保コール翌日物というものです。
■ 公定歩合
ところがここで借りられない場合、
銀行はどうすればよいのか?
無担保コール翌日物は
担保なしで借りられる市場ですが、
担保を差し出せば
日銀がお金を貸してくれます。
担保を差し出したときに
日銀がお金を貸してくれる際の金利のことを
「公定歩合」と言います。
銀行としては
明日のためにお金がなくなってしまったら、
まずは無担保コール翌日物で
お金を借りようと試みる。
しかし、そこで借りることができなかったら
日銀からお金を借りるわけです。
■「公定歩合」お蔵入り
今回、福井総裁は
「公定歩合」という言葉を
お蔵入りにしたいと述べ、
今後公定歩合という言葉を
使わないことを明らかにしました。
これは、公定歩合の持つ
政策的な意味が薄れているからです。
というのは、昔は日銀の政策は
貸出金利(公定歩合)を中心に行われていましたが、
今では市場金利(無担保コール翌日物金利)の誘導を
中心に行われているのです。
これからは市場で資金調達できないときの
補完という意味でこれまでの公定歩合を
補完貸付制度と呼ぶことになりました。
■ 長期国債買入額
3つ目のポイントの
長期国債の買入額月額1.2兆円を維持します
という発表についてですが、
ゼロ金利解除にも関わらず
なぜ国債購入の話が出てくるのか
という疑問をお持ちになられることでしょう。
これはなかなか面白いポイントだと思います。
政府は日銀に国債を買ってもらわないと
困ってしまうというようなお話を先日したと思います。
量的緩和の解除では、
国債を売ることによって
市場からの資金回収が行われるわけですが、
この際、国債を売られた政府は
資金調達に支障をきたすかも知れないという話でした。
そういうわけで、
ゼロ金利を解除するのはいいけれど、
国債は買い続けてくれるのか?
ということを政府は日銀に言い続けているわけです。
これに対し日銀は、
そんなに心配しなくても
月額1.2兆円ちゃんと買うから
ということを言ってあげたのだと思われます。
さて、そういうわけで気になってくるのは
ゼロ金利解除の影響というものについてですが、
このお話はまた次の機会にさせて頂きたいと思います。