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2009年01月06日 10:00

特別入試について②[グラミン銀行] (マーケティング/出頭 則行)

■グラミン銀行の創設
昨日に引き続き、貧しい貧困層向け融資銀行、
という新しいビジネスモデルが、
バングラディッシュに生まれたことをご紹介して、
やはり我々もアジアに学ぶ時がきたという、
お話をしていきたいと思います。

これは、1976年に、ムハマド・ユヌスさんという、
経済学博士で大学の教授が創設しました。
貧困層が高利貸しにたかられて、
がんじがらめになっているのを見るに見かねて、
創設したのがこのグラミン銀行です。
グラミンというのは、バングラディッシュ語で、村という意味だそうです。
つまりグラミン銀行とは村の銀行ということですね。
このグラミン銀行は、バングラディッシュの貧困層の自立に、
大変画期的な貢献をいたしました。
そのため2006年に、ユヌス博士はノーベル平和賞を受賞しました。
ノーベル経済学賞ではないか、というような議論も、
その時なされたかと思いますが、
ユヌス博士は平和賞を受賞されました。
アジアと日本との関わりも強く、2001年にはこの福岡でも、
福岡アジア文化賞を受賞され、2008年には、
北九州市環境大賞を受賞されていて、この九州ともゆかりが深い方です。


■グラミン銀行のビジネスシステム
この仕組みはマイクロクレジットと呼ばれていて、
小さなクレジット、小さな融資です。
そして、基本的に担保を持たない貧しい人たち向け融資ですから、
基本的に無担保です。
額をとっても、数ドルから数十ドルですから、
日本円にすると、上限が5,000円位です。
それでも、バングラディッシュでは、5,000円でも人生が変わるような、
新たな仕事につけたり、新たな商売ができたりということが可能で、
貧困層の自立に大いに力を発揮しています。

とは言っても、やはり借りた金額を返せなくなる、
という心配もあると思います。
しかし、グラミン銀行では、ちょうど日本でいう、
頼母子講に近いことが行われているようです。
しかも、ユヌス博士は、男性には貸さないことにしています。
男は、そういうお金を持つと、
賭け事をしたり遊んだりすることが多いわけです。
ということで、ここでは主婦に貸すことが基本です。
なぜかというと、主婦は融資された額を、
自分たちの子供にために使おうとするわけです。
次世代のために、家庭の健康のために使おうとする。
しかも、新しい借り手がある場合は、主婦5人の推挙が必要です。
そして、その5人は連帯保証人に近いものです。
担保が無いかわりに、連帯保証ということにしているという訳です。
そしてなんと、回収率が99%です。
それは、他の身近な人に迷惑をかけられない、
という意味でもまさに頼母子講に似ています。
そのように融資されたものの多くが自立のため、
新しい仕事のために使われています。
そして実はこの銀行、儲かっています。
回収がこれだけ高い上にきっちりきっちりと利子もとっています。
普通に利子を取っていますが、このグラミン銀行の特徴は、
儲けた利益を配当にまわさないということです。
株主はいます。要するに、最初に元手を出してくれた人たちはいる。
しかし、配当に回さず、その銀行の持続的成長のために使っています。
すなわち、新たな貧困層のための融資に使っていって、
その銀行のネットワークを、
バングラディッシュ全土に広げていっています。
今、グラミン銀行は広範なネットワークを持っていますし、
融資残額よりも1.5倍の資本を持っているというような、
大変優良な銀行に育っています。


■ソーシャルビジネス
経済学者のユヌス氏はこのグラミン銀行のような事業を、
ソーシャルビジネスと称しています。
ソーシャルビジネスとは、
普通の企業は株主の利益の最大化を求めますが、
社会利益の最大化を求めるものです。
株主は元本だけ保証されて、あるいは、
元本にある程度乗せた額は保証されますが、
それに上回るものは社会利益のために使わせて下さい、
という約束で立ち上がる会社です。
そう意味では、企業がよく行う、慈善事業や寄付、
あるいは、CSRとは一線を画しています。
この企業体そのものは、持続可能性のある成長を求めます。
しかし、利益は、社会利益や社会貢献のために使いますという、
ビジネスモデルがバングラディッシュで生まれて、
バングラディッシュの貧困層の自立に大変役立っています。
そして、多くの国が、このマイクロクレジット、
ソーシャルビジネスというものを取り入れ始めています。
アジアもそうですし、中南米でも、
このマイクロクレジットという考え方を取り入れて、
貧困層の自立に踏み出してきています。
アジアでも、このような新しいビジネスモデルが、
生まれ始めてきた好例ですね。

我々、QBSは、アジアシフト、
アジアビジネスの研究のハブということですから、
九州の力を、第二、第三のユヌス博士のような人を、
生み出せたらなと思っています。
それが、我々の夢でもあります。

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