2006年08月29日 08:20
聞く -基礎能力が大事- (人的資源/古川)
■3つの社会人基礎能力
先日は,経済産業省が
「社会人基礎力」として3つの力を提案していることをお話しました。
この背景には,ビジネスを中心とした社会人に,
基本的なところが少し欠けているのではないか,
応用ばかりを考えていたがそれでいいのだろうかという反省があると思います。
社会人基礎力の中身は、先ずは,
「前に踏み出す力」。ともかく一歩,行動してみようということですね。
次に,「考え抜く力」。やはり考えることをしないといけない。
特徴的なのは、3つ目に挙げられている「チームで働く力」ですね。
経済産業省は,今,この3つの力を社会人基礎力と呼び,
もう一度しっかりやっていこうと,大学を始めとして様々なところへ提案しています。
■社会人基礎能力の、さらに基本は何か?
これら3つの基礎力の更に
基本になるものはいったい何でしょうか。
そのことを我々は,捉えている必要があると思います。
それについて,私は,キチッと周りの人の意見を聞く,
考えを聞くという,「聞く力」がまずあると思います。
この聞く力には,いろいろなことを読む力,場を読むということも含まれます。
そしてもうひとつは「書く力」。これらが基本能力だと思っています。
昔は,『読み・書き・そろばん』と言っていましたが,
ビジネスでは、まず聞くことから始めないといけないと思います。
今日はその話をしてみます。
■聞く力 ―集中して聞けること―
今まで,日本人は話が下手、
議論が下手だとよく言われてきました。
従って,話す力をつける必要があるということで,
リベートやプレゼンテーション能力などの強化を,この数年行ってきました。
しかし,これはあくまでも「話す」こと,「しゃべる」ことです。
しかしこのところ、しゃべりはまあまあでも、
聞けない人が増えてきているようです。いろんなところで耳にします。
聞くということは,実は2つあります。
しっかりと聞く,じっくりと聞くなど,いわゆる持続して聞くということです。
時々、3分ともたない,30分,1時間はとても聞けない,
という嘆きを耳にします。まずは,とにかく持続して聞くことですね。
これは,単に我慢ということだけでなく,その流れ,その場,
その状況に入る,もしくは乗るということも含まれます。
そして,しっかりと聞ける人は,質問をされても、さっと応えられます。
質問を投げかけても応えられない人がときにいますが,
それは話しの流れに入れていない人だと思います。言うだけのために,
そこに来ている人もいるかもしれませんが,ビジネスはそれでは通用しませんね。
そういう意味で,集中して聞くことで,状況とか流れを読む,
これがひとつの重要なポイントになりますね。
■聞く力 ―話しの核心や相手の意図をつかめること―
もうひとつ,聞くことというのは,
重要なポイントや核心は一体何だろうと考えることでもあります。
我々の仕事は,ほとんどが他から来ます。
例えば,上司の指示だったり,お客さまの注文や要望だったり,
あるいは同僚や他の部署からの依頼,要請など。
これらの場合も,上司の本意とか思いは一体何だろうということをつかむ。
お客さまが思っていることの主旨,あるいは願い,
悩みの核心は一体何なのだろうということをつかむ。
他の職場の人たちの期待は一体どういうことなのだろうと,
その背景は何だろうということをつかむ。
もちろん,聞くと同時に確認することもあります。
つまり,『こんなことですか?』と尋ねてみる。
そういう意味で相手の気持ちを読む,聞くということが,
「聞く」ということに入ると思いますね。
■仕事の出来る人は、実は聞き上手
仕事の出来る人は実は聞き上手とも言われます。
トップセールスの方は,実はベラベラとよくしゃべり,
口達者かというと実はそうではない。調べてみると,
その特徴は、聞き上手ですね。お客さんの悩みや要望や不満など,
困っていることに,しっかり、じっくり耳を傾ける。
だから、『そういうことでしたら、こうしたらいいのではないですか』などと提案できる。
流暢なしゃべりが人を納得させるわけではありません。
相手の気持ちや願いに応えられることですね。
よく聞くことで、その場や流れも読む。仕事ができる人はそれが上手ですね。
来週は「書く」ことについて考えます。