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2006年09月04日 08:20

複合一貫輸送-インターモーダルによるコンテナ輸送― (ロジスティクス/星野)

■輸送方法の組み合わせによる「複合一貫輸送」
「sea & air(シー・アンド・エア)」とか「sea & rail(シー・アンド・レイル)」
という言葉をご存知ですか?
sea & airとは,船舶による海上の輸送と航空輸送を組み合わせることです。
一方,sea & railとは,海上輸送と貨物用列車による輸送とを組み合わせることです。
このように複合一貫輸送とは,荷物を積んだコンテナを
様々な輸送機関に乗せ換えながら,
起点から最終目的地までを一貫して輸送することをいいます。
輸送手段を組み合わせることで,どのように輸送の効率化が図れるのでしょうか?


■複合一貫輸送の例
コンテナ輸送においては,一旦貨物を積めた後は,
目的地まで中身を詰め替えることなく配送することが可能です。
そのようなコンテナ輸送の利便性と,
様々な輸送機関の持つ特性のそれぞれを活かせば,
最適な方法で荷物を目的地まで輸送することができます。


例えば海外から商品を輸入・輸出する場合にはコンテナ船を使い,
国内での長距離輸送には貨物列車を利用する。
また最後の短い部分はトラック輸送を利用する。
これが一つの例です。ちょうど先月にも,このことに関連して,
環境に優しいモーダルシフトの話をしましたね。


世界で今,最も広く利用されているサービスは,
アジアとアメリカの東海岸との間を結ぶサービス(MLB: Mini Land Bridge)です。
これは本来ならばパナマ運河を経由して
船で運べばいいものなのですが,それに代えて
複合一貫輸送が使われています。


つまりアジアからアメリカの西海岸ロサンゼルスとか
ロングビーチという港まではコンテナ船を利用し,
国内の大陸横断のときには貨物列車を利用する。
その後,最終目的地のスーパーマーケット(あるいはデストリービューション・センター)までは,
トラックで輸送するという形態です。これが現在では,一般的になってきています。
なぜかというと,こちらのほうがパナマ運河経由より輸送時間が短いからです。


同様にJR貨物でも,今年の3月から中国の最大手の海運企業COSCO社と提携し,
sea & railのサービスを開始しました。
これは,上海から門司港までは中国のCOSCO社のコンテナ船を利用し,
JRの貨物列車で首都圏などに接続して輸送するサービスです。


■複合輸送の歴史
これらの複合輸送,もしくはインターモーダル輸送とも呼ばれる形態は,
とても長い歴史を持っています。
例えば,先ほどご紹介したアジアとアメリカ東海岸を
結ぶsea & railは,1970年にスタートしています。


その翌年の1971年には、アジアとヨーロッパをシベリア鉄道経由で結ぶ
シベリア・ランドブリッジ・サービスが開始されています。
これも本来のスエズ運河経由に代って,
例えば中東の紛争地域を避けるために,敢えてシベリア鉄道を経由しています。
スムーズに接続されれば、時間的な利点もありました。
現在ではあまり使われていませんが,
ロシアのサンクトペテルブルグで自動車の生産を
開始するトヨタが,このサービスに注目しているそうです。


これらの複合輸送についてさらに興味深いのは,
sea & railよりも遙かに早い1962年には,アジアから南米向けに
船と飛行機を接続するsea & air(シー・アンド・エア)というサービスが
開始されていたことです。アジアから南米まではあまりにも遠いので,
船では時間がかかりすぎます。飛行機では運賃がかかりすぎる。


そこで,船と飛行機を接続することが考案されました。
そうすれば費用も時間もそれぞれの間に収まるということになります。
これは,港から空港までの貨物の接続がよくないと成り立たないことです。


■日中韓での新しい取り組み
コンテナを通じた複合輸送の効率化について,
今さらに一歩進んだ取り組みが考えられています。
国土交通省は,今月にソウルで行われる国際会議で,
2008年度を目途に貨物トレーラーの荷台部分である
シャーシ(コンテナを載せる台車)を日本,中国,韓国の3カ国で
相互乗り入れが出来るように提案する予定です。


今,各国のシャーシは規制が異なり,シャーシを相手国に持ち込む事が出来ません。
その結果,国際間を輸送するときには,港ですべて詰め替えが必要になります。
それを今後,日中韓の3カ国でナンバープレートを統一化することや
車体の大きさの標準化を促進することで,
国際物流の大幅な効率化が可能になります。


そうなると,産地で中国野菜を満載したコンテナが
中国ナンバーのシャーシに載せられたままで,
日本のスーパーマーケットに搬入されるようなことになる日も
近いかもしれないですね。


参照URL 

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