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2010年05月19日 10:00

コミュニケーションとは(1) (社会心理・組織心理/藤村まこと)

■コミュニケーションとは何か

「コミュニケーション」とは、辞書的にいうと、
「意思の伝達」や「情報のやりとり」という意味がありますが、
心理学ではどのように理解できるのでしょうか。
認知心理学のモデルでは、登場人物として情報の
やりとりをする情報の「送り手」と「受け手」が登場します。
例えば、人と人であれば、何か伝えたい情報を持っている時に、
送り手から受け手に伝えるということですね。
そして、その時にメッセージを伝える方法には、
言葉以外にもいろいろな方法が存在します。
例えば、「お腹が空いた」とか、「好きです」、「嫌いだ」、
「忙しい」、というメッセージは、表情や体の動き、
視線などでも受け手に伝えることができます。

ここで、重要なのは、言葉や表情といったメッセージを
送り手に渡すだけではなく、最終的な目的は受け手が
送り手の情報を理解することですね。
そのため、コミュニケーションは、送り手が相手に
メッセージを伝えるだけではなく、相手に自分の考えていることを
正確に伝えることで初めて成立すると考えられます。


■コミュニケーションの目的

また、コミュニケーションは、どんな目的で行われているのか
についてご紹介したいと思います。
1つ目は、“情報のやりとり(収集や共有)”です。
知りたいことを教えてもらったり、教えたりすること。
そして、自分の感情や意見を相手に伝えるということがあります。
2つ目は“説得”です。「これがいいよ」と人に勧めたい、
相手の意見を変えたいときに、人は説得を試みますが、
これは情報のやりとりとは異なる目的とされています。
3つ目は、“無目的にコミュニケーション自体“を楽しむ、
ということもコミュニケーションの目的とされています。


■ノンバーバル・コミュニケーション

先ほども述べましたが、コミュニケーションには、
言語を使った言語的(バーバル)コミュニケーションとは別に、
言葉以外の非言語的(ノンバーバル)コミュニケーション
というものが存在します。
気持ちや情報を相手に伝えるときには、発話内容も
もちろん大事なのですが、発話の仕方も重要で、
表情や視線、身体の動き、外観、声の大きさやスピードなどの
パラ言語も、相手の抱く印象に大きく影響を与えるといわれています。

コミュニケーションが苦手という方は、まずはこれらの
ノンバーバルなコミュニケーションを工夫すると良いかもしれません。
例えば、発話の仕方を工夫して、表情を明るくする、
声を大きさやスピードを調整する、抑揚をつける。
それによって相手の抱く印象が変わると思います。
ある調査では、言語内容と音声と表情のどこを見て、
人が印象を形成しているのかを測定した結果、
約5割が表情で相手の印象を決めているという結果が出ています。
そして、音声の占める割合は約4割で、
言語の影響は1割に満たなかったと報告されています。
最終的には、何を話すかという発話の内容についても
工夫をすると良いと思うのですが、入り口として
“話の仕方”を工夫することは意味があると思います。


■メディアの多様化

ここまで、対面での人対人の話をしましたが、
最近では、この人対人以外のコミュニケーション研究も
盛んに行われています。
人対人であれば、最近は、コンピューターやインターネットが
発達していますので、対面でなくとも、電話、携帯、メール、
SMS、インターネット上のコミュニケーションなど、
機械を通した様々なコミュニケーションツールが存在しています。

また、企業対大勢という形でのマス・コミュニケーションも存在します。
ただ、その場合も人対人と仕組みは同じです。
送り手がいて受け手がいることに変わりはありません。
その間にやりとりされるメッセージがあって、その方法は多様です。
そして、コミュニケーションの最終目的は、
送り手の意図を受け手が正しく理解するということです。

最近、コミュニケーションツールが増えていく中で、メールであれば
メッセージを送ってそれで終わりと思ってしまうことがあるのですが、
相手がメッセージを受け取って理解していなければ、
コミュニケーションは成立しないということを、
気をつけておきたいと思いますね。

参考・引用文献

松尾太加志 1999 コミュニケーションの心理学
―認知心理学・社会心理学・認知工学からのアプローチ ナカニシヤ出版

池田謙一 2000 コミュニケーション(社会科学の理論とモデル) 東京大学出版会

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